朝霞で45歳の熟女のあの“降参”の顔が忘れられない

彼女と初めて出会ったのは、PCMAX(18禁)の掲示板だった。

 

特にSMに特化した場所ではなかったが、彼女の書き込みには不思議と惹きつけられるものがあった。

 

内容は穏やかで知的なのに、どこか“挑むような”雰囲気が漂っていた。

 

メッセージのやりとりを重ねるうち、俺は彼女に「気の強い猫みたいな人だな」と感じるようになった。

 

実際に会ってみると、見た目は落ち着いた雰囲気の45歳。

 

どこか余裕があって、丁寧な言葉遣いをする人だった。

 

ただ、何気ない会話の端々に、こちらの出方を見ているような気配があった。

 

笑顔を浮かべながらも、全てを見透かしているような目つき。

 

ああ、この人は誰にも本心を見せてこなかったんだろうな、と感じた。

 

その距離感が逆に俺には心地よかった。

 

無理に近づく必要も、探る必要もない。

 

ただ一緒にいて、お互いを“観察している”ような関係が続いた。

 

何度か食事を重ねたある夜、彼女がぽつりと「私、多分人に委ねるのが苦手なの」と言った。

 

そう言いながらも、その表情にはどこか“期待”のようなものがにじんでいた。

 

「誰かに全部預けてみたいと思ったことは?」

 

俺がそう聞くと、彼女は数秒沈黙してから「あるよ。でも怖い」と答えた。

 

それを聞いたとき、俺の中で何かが静かに動いた。

 

次に会ったとき、俺は少しだけ強めの口調で彼女に接してみた。

 

何かを頼むでもなく、命令するでもなく、「今日は俺に従って」とだけ言った。

 

彼女は一瞬驚いた顔をして、でも何も言わずに頷いた。

 

その夜の彼女は、これまでで一番静かだった。

 

けれどその沈黙は、緊張ではなく“委ねている”というサインだった。

 

自分でコントロールすることを手放した人間の、無防備な静けさ。

帰り際、彼女がふと「今日の私は、いつもと違ったでしょ」と言った。

 

俺が「どんなふうに?」と返すと、彼女はちょっと恥ずかしそうに笑ってこう言った。

 

「ちょっと…降参してた。」

 

そのとき見せた彼女の顔は、今でも忘れられない。

 

普段の彼女の凛とした態度からは想像できないほど柔らかくて、どこか子どものような表情だった。

 

俺はそこで確信した。

 

彼女は“従うこと”に憧れを持っていた。

 

でもそれは、ただ誰かに命令されたいという話ではなく、「信じられる相手の手に、自分の境界を預けてみたい」という欲求だったんだと。

 

それからの俺たちは、言葉少なに深く関わるようになった。

 

彼女は日常では変わらず自立した女性で、仕事も趣味もバリバリこなしていた。

 

でも、俺の前では少しずつ“降参”する頻度が増えた。

 

それは、彼女が弱くなったわけではなく、「強がらなくていい場所」を持てたからだと思っている。

 

俺も、そんな彼女に何度も学ばされた。

 

強い人間ほど、信頼を預けるのが難しい。

 

だけどその人が心を開いてくれたとき、そこには言葉では言い表せない価値がある。

 

彼女が俺に見せた“降参の顔”は、たった一度のプレイよりもよほど深く、心に残った。

 

今、あの関係が恋愛だったのか、プレイだったのか、あるいは何だったのかと聞かれたら、正直うまく答えられない。

 

ただ言えるのは、あの数か月、俺は彼女の“心のバリア”を少しずつ解いていくことに、確かな意味を感じていたということ。

 

Mというのは、痛みを求めている人ではない。

 

俺にとっては、“支配されたい”というより“信じて預けたい”人たちだった。

 

彼女のように、ずっと自分を守ってきた人が、ふと誰かに心を明け渡すその瞬間の、美しさと静けさ。

 

それこそが、俺にとっての本当の快感だったのかもしれない。

 

それ以来、彼女とは連絡を取っていない。

 

でも、あのときの沈黙や、そっと差し出された信頼の重さは今でも胸に残っている。

 

ただの遊びじゃなかった。あの“降参”の一瞬が、俺にとっては、誰かと深くつながれた証だった。

 

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